子供に自分の言葉を伝える方法を考えた

この投稿は子育てエンジニア Advent Calendar 5日目の記事です。

adventar.org

先日子供(1才半)と遊んでいたら、ふと子供に良い話をしたくなってきました。
良い話とは、いわゆる「君が20歳になった時に伝えたい話」みたいなやつです。
とりあえずEvernoteにメモし始めたのですが、「自分が事故とかで明日死んだらこれは永遠に読まれないのでは…?」と不安になってきたので何かしら工夫しなければと思いたち、でいろいろと手段を調べてみました。

何も伝えるものはない派

少し年上で父親経験も豊富なエンジニアに話を聞いたところ

子供に伝えたい言葉はなにもない。自分が子供に成長させてもらっている。自分が成長させたいっていうのは親の自己満足で、子供は勝手に育つから何も心配していない。

なるほど、、、
確かにそのとおりですね。自分の子供もまだ1歳ですが、子育てを通じて自分が成長させてもらっているな、と日々感じています。
そして自分の子供時代を思い出すと、確かに親の言葉など聞いた記憶がありません。
進学先の進路を決めるときや就職先を決めるときなど、完全に決定後の報告でしたし、ましてや転職に至っては転職したあとに報告していました。

ですが、それはあくまでも自分の両親が健在だからなのかもしれないとも思います。
それと、自分が「何か言葉で子供に伝えたい」という思いと、その言葉から子供がなにを感じるか何も感じないか、これらは本質的に無関係なので、自分が伝えたいという思いを持っている以上、その方法を考えて実践することは無駄ではなかろうという結論に至りました。

引き続きソリューションを検討します。

SNSで公開しておく派

別のもう少し年上で、4人の子宝に恵めれたエンジニアに話を聞いたところ

あー、それ自分もすごい悩んだんだよね。とりあえずFacebookに書いてたんだけどさ、なんか良いこと言いたいおっさんみたいになっちゃったんだよね。

そうそれ、完全に良いことこと言いたいおっさん。
私もこれを考え始めて最初に思いついてのが、とりあえずFacebookTwitter、ブログに書くことでした。
でも書きたいことは、然るべきタイミングに、然るべき相手だけに伝えたいことなのです。
不特定多数の人間に対してそれを書いて、それに何かコメントなど付きようものなら、、、
考えただけでも恐ろしかったので採用できませんでした。

遺言サービス

なんとなくやりたいことが「遺言」なのではないかと思い、遺言に類似するwebサービスがないか調べてみました。

camp-fire.jp

やってました。芸人の田村淳さんがプロデュースしてます。
しかし、公式ツイッターは半年以上更新されていないなど、進捗が闇に眠っているようです。
クラウドファンディングも未達のまま終了していますし、これはちょっと期待するのが難しそうです。

遺言としては、明日必要になるかもしれないし、来年かもしれないし、あるいは10年以上先かもしれません。
そう考えると、クラウドファンディングで短期的に調達したサービスだと少し不安もありますね。
まあ子供向けに残したいメッセージであれば、最長でも20年くらいサポートされる見込みがあればよいのかもしれません。

この他遺言サービスを探しましたが、弁護士事務所のサイトや終了済みのサービスしかヒットせずあまり望ましい結果は得られませんでした。

タイムカプセルサービス

次にタイムカプセルサービスを調べてみました。
いくつかのサービスがありました。

物理タイムカプセル

物理的なタイムカプセルのサービスを行っている会社がありました。

www.timecapsule.co.jp

倉庫の会社ですね。
たしかに最長10年のタイムカプセルであれば良いかもしれません。10年後であれば子供もある程度大人の言葉も理解できそうです。
ただ、難点は一度封入するとその内容に追加したり変更したりすることができないことです。
私がやりたいことは、今思いついた言葉をつたえるというよりも、この先日記のようにインクリメンタルに伝えたいことを育てていき、あるタイミングでその言葉のストックを子供に伝えたいのです。
なので、イミュータブルな物理タイムカプセルは私の用途には不向きだと判断しました。

郵便サービス

指定した経過年数後に郵便を送ってくれるサービスも多数ありました。
例えばこちらです。

npo-mirainet.com

ちゃんとしていそうなサービスです。
手紙そのものはイミュータブルですが、一通あたりのコストも安いですし、QRコードを埋め込んでおくという方法もありかもしれません。
しかし、自分がサービスの申し込みをしたタイミングと、それを受け取るタイミングで住所が変わっている可能性が非常に高いという大きな問題があります。
実家を宛先にするなども考えましたが、実家こそ10年先まであるかはわかりません。
なのでこのサービスも用途には不向きだと判断しました。

アプリ

変化球ですが、こんなアプリもありました。

jp.techcrunch.com

これは写真に特化して時間差で撮影した写真を特定の宛先にメールで送ってくれるサービスです。
本質的にやりたいこととは少しずれているのですが、おもしろかったのと、5年以上サービスが継続していてすごいな、と思ったので共有してみました。
カジュアルに写真をとって数年後に共有するというのは面白いかもしれません。

ただ、やはりやりたいこととは少しずれています。

自分でなんとかしよう

公開されているwebサービスはどれも継続性が怪しい&それなりのランニングコストがかかるので、いくつかのアプリケーションを組み合わせて自前で何とかすることにしました。

文章のストック

はてなブログのなぞなぞ認証機能を使うことにしました。
伝えていことははてなブログに書いていき、なぞなぞ認証で一般には見れないようにしておきます。
はてなブログが終了するリスクはありますが、日常的に投稿をストックしていれば、サービス終了のタイミングを検知することは難しくないと考えました。

自分の死活監視

twitterのアカウントで死活監視を行うことにしました。
twitterが終了する可能性もかんがえられますが、これも日常的に利用しているため、検知することは容易であろうと考えました。
また、後述する監視方法でAPIを利用しますが、APIのIFが変更されるリスクもあります。
これについては、アプリケーションで検知して対応することにします。

ステートマシン

Google App Scriptを利用して、Google Spreadsheetをステートマシンとして利用します。
twitter APIから自身のアカウントの最新のアクティビティを取得してSpreadsheetに日付を記録します。
この日付を別のスクリプトで監視し、1週間アクティビティがなければwarningを自分自身に発信します。
そして、そのまま1ヶ月アクティビティがなければ家族向けになぞなぞ認証の答えと、ブログのURLを発信します。

GASからtwitterAPIを叩く部分はこのライブラリを利用しました。

github.com

まとめ

テストする際には間違えてご家族に本番アラートを発信しないように気をつけましょう。